令和5年2月3日節分 一年の節目にあたる縁起の良い日です!(^^)!
私事で恐縮ですが昨日まで暦の上では ”八方塞がり” 前に進もうとすると止められたり
周囲が見えなくなったり と大変な一年でした(>_<)
今日からは ”振り返って前を向く”
そんな縁起の良い日に ある広報に掲載された自伝をご紹介します。
題名:一生の仕事に大工を選んだ者として
“大きくなったら大工になる”
幼少より大工になることを一切曲げなかった少年は
父の道具箱から鋸を見つければ家の柱を切り、鑿を持てば手を切るなどの毎日。
肝心の勉強には一切の興味を持たなかったとのことです 笑
そんな幼少期を経ていざ大工道を歩んでいくこととなって早26年が経ちました。
嬉しかったこと、悔しかったこと、色んな事があった中からの一つをお話しします。
自分の仕事を“大工です”と胸を張って言えるようになった頃、私指名のお施主様がで
きたり、新人君がついたりと、忙しい毎日を“やりがい”に感じてしまっていた私は
現場での大工作業から段取り役へと・・・。段取り8分とあるように段取りができて初めてで
きることはわかっていましたが、自分への期待、周囲からのプレッシャーに下を向いていた私がたどり着いた先は
役員を務めさせていただいているお寺の先代ご住職のところでした。
いつものように腰には蚊取り線香をつけ盆栽の手入れをしていた先代ご住職は私を見るや
“どぉしたん?なんちゅう顔をしとんでぇ まぁお茶でものむかぁ”と
“何も言ってないのに???誰か言ったん???”
不思議に思う私に言っていただいたことは
“琴の糸、きりりと締めればすぐに切れ、さぞかし緩めりゃペロンペロン”
締めすぎても、緩めすぎてもおえんのよ!ほどほどにせにゃ
大切なのは何か?。やるべきことは何か? 。そして大工であるためには?
道に迷ったお陰で答え合わせができたように、山門をくぐったのを覚えております。
あれから十数年。
今では遺影の前で合掌することしかできないですが
大工棟梁として現場に立ち、仲間と共に木々と共に家づくりをすることで少しばかりの恩返しができているかと思っています。
また、一昨年から手掛けている、本堂・庫裡の改修工事では、時代の違う三棟を古の工法・現代の設備を用いて保存修理。幅が狭く傘も差せないほどの通路を 建物外壁部分を減築することで雨の日にも不自由なく通れるようになりました。
ここで培った木の特性・技術を次の現場へとつなげていき、一生の仕事に大工を選んだ者として日々精進していきます。
令和四年八月吉日 大工棟梁 横溝達也